WORLD FASHION ACADEMIA『ファッション業界の未来を担うZ世代のリアルと意識』レポート


ファッションの常識をアップデートするセミナー企画「ワールド ファッション アカデミア」。9回目となる今回は、これまで以上にリアルで関心の高い内容を届けたいという思いから、 “ファッション業界の未来を担うZ世代のリアルと意識”をテーマに学生300名にアンケートを実施。ファッション業界のイメージや就業意志の有無、興味関心がある職種を分析することで、彼らの意識の現在地を探ります。

Z世代のリアルを読み解く業界のエキスパートによるセッション

ひとりひとりのプロフィールだけでも興味深々なメンバーによる、熱いトーク

左から)

ファシリテーター WWDJAPAN編集長 村上 要氏
ファッションジャーナリスト 久保 雅裕氏
文化服装学院 ファッション工科専門課程 インダストリアルマーチャンダイジング科 花田 浩朝氏

AKIRANAKA デザイナー ナカ アキラ氏

登壇者の様々な視点で意見が交わされた

「コロナ禍の厳しい状況のもと、学ぶことを諦めずに、何事にも熱心に取り組む学生に、あらためて「夢」を描くことの大切さとそれに向けての知識を深めていくことの重要性を伝えたい(花田先生 ※右から2番目)」

トークセッション動画はこちらから

アンケート協力校から、文化服装学院の学生がリアル参加

文化服装学院 花田先生率いる学生が視聴

ファッション関連専門学校と大学の学生300名へのアンケートから見えたこととは

日々学校でファッションを学ぶ学生たち。業界への就職意思は全体の76%で「ファッションが好き。好きなことを職業にしたい」、次いで「憧れている」が理由に。興味ある職種4領域別では「つなぐ」が最も多く、以下「伝える」「作る」「支える」の順。各領域で興味ある職種TOPはデザイナー、バイヤー、スタイリスト、店舗開発。デザイナーを除くと、対外交渉などコミュニケーションを要する職種に興味度が高い傾向に。

業界に対するポジティブなイメージは「華やか」「おしゃれ」「センス」という言葉から、ファッション業界や働く人への憧れが前面に。また「さまざま」「個性」という言葉から、多様性や寛容性が認められる業界であるというイメージも。「幸せ」「笑顔」という言葉から、ファッションを通じて人や世界を明るくするというコメントも寄せられたのはZ世代の特徴ともいえます。一方「大量生産・大量廃棄」に代表される業界が抱えるワードも多く挙がったり、キャリアアップに関する不安も寄せられました。

「興味のある職種×選択理由」のマトリクスチャートを受け、ワールドの品質管理担当者がコメント

興味のある職種×選択理由は、やはりデザイナーやバイヤーが「憧れ・高感度」「興味・関心」の両面で上位に。ここで気になるのは、日々ファッション企業を支える品質管理やディストリビューターが低い位置にあること。職種が正しく伝えられていない業界の責任もあるのでは。ということで、今回はワールドグループで品質管理を担う田代 裕二がZoom上で特別にコメントをしました。品質管理として「モノづくり全般をどう改善したらいいのか、生産の現場まで踏み込み、事業との橋渡し、そして店頭に並びお客様の手に渡るまでを支える仕事」であることを伝え、会場の学生や登壇者もあらためてその職種の重要性に気づかされました。

興味のある職種×選択理由 マトリクスチャート
「世代論は、常に賛否付きまとうものですが、世代を超えていつも分析したり、語り合ったりして自身の認識をブラッシュアップさせていきたい(久保さん/右)」

WORLD FASHION ACADEMIA 公式YouTubeチャンネル

これまでのアーカイブ動画をご覧いただけます
https://www.youtube.com/channel/UChjB7hX2uLdWLPgsq7U9lPA/null

ファッション業界の第一線で活躍し、実際に仕事をしている人だからこそ語れる本音や知られざる視点が次々と飛び出すシリーズ「ファッションの仕事を知る」。ここでしか聴けないリアルな話が詰まったトークセッションです。