忙しくても、自分の理解を
置き去りにしない。

ジョブローテーション制度を使って挑戦したMDの仕事は、まるで転職したみたいに全然違う世界でした。現在は郊外のショッピングセンターを中心に360店舗ほどある「シューラルー」というブランドを担当していますが、MDの仕事は、一言でいうとブランドのお財布係、といった感じでしょうか。事業計画に沿って売上をたてるために、商品の仕入から価格設定・販売方法・店内の陳列方法・販促方法など、販売計画を練ってくのがMDのミッションです。ブランドを取りまとめる役割ですから、さまざまな部署と連携していくために打ち合わせが必須になり、多い時期だと1日の6,7割くらいを占めることもありますね。毎週月曜の朝イチに、前の週の売上結果を振り返る定例会議があるので、土日も外出先でショッピングモールに行くときは、どんな商品が売れているのだろうと観察してしまい、自分のお買い物よりもついつい仕事モードに入ってしまいます（笑）

異動から１年半、この仕事の楽しさと厳しさが分かってきたところですが、「自分が腹落ちするまで紐解いてから取り組む」ことはいつも忘れずに仕事をしています。昔から、とりあえずやってみる、ということができない性格なので、疑問点は周りの人に聞きながら丁寧に理解し、納得感を持って進めていくようにしています。忙しさにかまけて流してしまいそうになるときもあるけど、一度中途半端にするとどんどん積もっていくんですよね。だからやることが多くて気持ちがいっぱいいっぱいになりそうなときでも、自分の理解度を確認するために一呼吸おくようにしています。

トラブルは、
起きてからの行動が
最重要。

たくさんの人が関わって商品を作るアパレルの仕事は、トラブルも珍しくありません。

直近で言うと、とあるイベントの目玉商品として売り込みたかったが、販売開始の２週間前に船の遅延で納期に間に合わないということがありました。出店先では既に販促チラシを入稿済みで、ECチームも特集を組んで準備万端でした。海外の工場で生産している商品だったので、あとは商品の入荷を待つのみだったんですが、そのときになって、商品の納期遅れが発覚したんです。こちらの対応で船が速く進むなんてことはなく、遅れることはもうどうしようもない。すぐに関係各所に連絡して、代わりに販売する商品を決め、店舗やECサイトでの販促方法も変え、入稿したチラシを差し替え、必要な作業を猛スピードでおこないました。その時のイベントは無事に切り抜けましたが、すべてのタスクがギリギリの状態で肝が冷えましたね。でも、こうしたどうにもならないトラブルがあることを分かっているからこそ、みなさんすごく親切に、迅速に対応してくれて、そのチームワークに助けられました。トラブルは必ず起こる、ということを前提に、スピーディに報告をして連携を取っていくことが大事だなと経験をもって学んだエピソードでした。

自由な試行錯誤を
重ねて、
力をつけたい。

MDとしてはまだまだ半人前なので、向こう数年は自分のスキル向上に力を尽くしていきたいです。前部署は、主に経営指標を管理する部門で、数字で業務や事業を把握することを経験していたこともあり、売上管理や戦略立案といった定量化可能なハード面では活かせていることが多いと思っています。なので今後は、例えば素材や生産の知識、発想力といったソフト面を伸ばしていくのが目標ですね。MDの仕事は判断の連続です。売価の設定やアイテムの置き方ひとつとっても、MDの判断で売り上げが大きく左右されるんです。正しく判断するためにも、販促やEC、VMDなど、様々な担当領域の人と関わって、各方面の状況を把握しながら進めていかなければいけません。それはもちろん大変ですが、逆に言えば、試行錯誤に限界がない。あらゆる角度から自由に発想して挑戦できることは、大きなやりがいでもあります。この環境を楽しみながら、知識と経験を蓄えて、ハードもソフトも両方強いMDになりたいです。