2019年3月期の業績予想について
当社は、本日、株式会社東京証券取引所より本則市場への上場承認をいただきました。上場日は2018年9月28日(金)を予定しております。
なお、2019年3月期(2018年4月1日~2019年3月31日)における当社グループの連結業績予想は次のとおりであります。
【連結】
(単位:百万円・%)
2019年3月期 (予想) |
2018年3月期 (実績) |
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対売上収益 比率 |
対前期 増減率 |
対売上収益 比率 |
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売上収益 | 249,066 | 100.0 | 1.3 | 245,829 | 100.0 | |
コア営業利益 | 16,162 | 6.5 | 1.5 | 15,923 | 6.5 | |
営業利益 | 14,234 | 5.7 | 7.6 | 13,225 | 5.4 | |
税引前当期利益 | 12,791 | 5.1 | 14.8 | 11,144 | 4.5 | |
当期利益 (親会社の所有者に帰属) |
8,238 | 3.3 | 22.2 | 6,743 | 2.7 | |
1株当たり当期利益 | 317円68銭 | 74円75銭 | ||||
1株当たり配当金 | 47円 | - |
2019年3月期 第2四半期連結累計期間 (予想) |
2018年3月期 中間連結会計期間 (実績) |
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対売上収益 比率 |
対前年同期 増減率 |
対売上収益 比率 |
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売上収益 | 117,494 | 100.0 | 1.7 | 115,493 | 100.0 |
コア営業利益 | 5,987 | 5.1 | △1.8 | 6,095 | 5.3 |
営業利益 | 4,618 | 3.9 | △20.6 | 5,817 | 5.0 |
税引前四半期利益(中間利益) | 3,748 | 3.2 | △21.6 | 4,783 | 4.1 |
四半期利益(中間利益) (親会社の所有者に帰属) |
2,106 | 1.8 | △27.4 | 2,900 | 2.5 |
2019年3月期 第1四半期連結累計期間 (実績) |
2018年3月期 第1四半期連結累計期間 (実績) |
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対売上収益 比率 |
対前年同期 増減率 |
対売上収益 比率 |
|||
売上収益 | 60,978 | 100.0 | 1.0 | 60,350 | 100.0 |
コア営業利益 | 6,761 | 11.1 | 5.9 | 6,385 | 10.6 |
営業利益 | 6,648 | 10.9 | 5.9 | 6,275 | 10.4 |
税引前四半期利益 | 6,205 | 10.2 | 7.6 | 5,767 | 9.6 |
四半期利益 (親会社の所有者に帰属) |
3,976 | 6.5 | 7.0 | 3,715 | 6.2 |
(注)
- 当社グループは国際会計基準(IFRS)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
- 2018年3月期(実績)の1株当たり当期利益及び1株当たり配当金は期中平均発行済株式数により算出しております。2019年3月期(予想)の1株当たり当期利益及び1株当たり配当金は自己株式処分予定株式数(14,850,000株)を含めた予定期中平均発行済株式数により算出し、オーバーアロットメントによる売出しに関する自己株式処分株数(最大1,809,000株)は考慮しておりません。
- 2018年7月12日付で、株式5株につき1株の株式併合を行っております。上記では、2019年3月期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期利益を算出しております。なお、2018年3月期の期首に当該株式併合が行われたと仮定した場合の、2018年3月期(実績)の1株当たり当期利益は373.76円となります。
- コア営業利益は、IFRSにおける売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した数値であり、日本基準における営業利益に相当する指標であります。当該財務指標は、国際会計基準により規定された指標ではないものの、当社グループの経営陣が本業の稼ぐ力として最重視する指標であり、投資家にとっても当社グループの業績を評価するために有用であると考えております。
- 株式上場後の配当政策については、当面は財務健全性の改善や成長投資を優先しつつ、配当金額を段階的に引き上げ、財務健全化の目処が立つ頃に、中・長期的な連結配当性向の目安として約30%程度まで引き上げることを目指す方針であります。2019年3月期については、連結配当性向約15%程度を目安として一株当たり配当金を決定する方針です。この結果、今期の配当総額は当期利益(親会社の所有者に帰属)の約20%程度となる予定です。
【2019年3月期業績予想の前提条件】
(当社グループ全体の見通し)
当社グループを取り巻く経営環境について、景気は緩やかな改善傾向にあるものの、国内アパレル市場は、人口減少や少子高齢化を背景とした成熟化の進行による販売数量の減少に加えて、国内アパレル産業も競争激化で単価下落が進む一方、海外生産地での加工賃上昇や為替変動による仕入価格の上昇のほか、人手不足による人件費や物流費といった経費増加要因も生じるなど、引き続き厳しい状況が続くことを予想しております。企業数やブランド数、店舗数などがオーバーサプライの状況において、異業種や外資系といった新規参入の企業も巻き込んだ過当競争が継続しており、事業承継も相俟って業界再編が不可避な情勢となっております。
また、顧客の購買行動はデジタル化の進展も背景として急速に変化しており、例えば、店舗販路からEC販路への顧客シフトが続いています。一方、ファッション企業側も、成熟市場において、マーケティングや発注・在庫管理などの更なる精度向上が求められるため、バリューチェーン全体のシステム構築は多額の投資が求められております。加えて、デジタル企業が自らの技術を活かしてファッション業界へ新規参入するなど、デジタルを軸とした新たなビジネスチャンスも生まれています。 このような経営環境の中、当社グループは、2017年4月に当社を事業持株会社とする持株会社体制に移行しました。また、事業セグメントを「ブランド事業」「投資事業」「デジタル事業」「プラットフォーム事業」の4つに分けた上で、新たな収益源として投資事業とデジタル事業の育成・発展に注力するべく、当面はこれら2つの事業セグメントに集中投資を行う方針です。
投資事業は当社グループ全体の事業ポートフォリオの最適化を使命としており、アパレル以外のブランド事業領域やデジタルを中心としたプラットフォームの拡充に有用な企業や事業のM&Aに取り組んでおります。また、デジタル事業では、当社グループが買収した企業やグループ外の企業にも活用いただけるよ、ファッションビジネスの全領域を網羅したシステム基盤のアップデートに取り組むほか、ファッションテック(注1)との協業でデジタル軸の新規サービス開発やプラットフォーム強化も推進しております。
このほか、現在の収益の柱であるブランド事業においては、当該事業を支える生産系及び販売系プラットフォームやデジタル事業とも連携し、各事業会社における個々の市場に適した収益構造の構築と主体的な意思決定をスピード感を持って行い、商品力と販売力の強化によるブランド及び店舗の収益の維持と成長を目指します。プラットフォーム事業やデジタル事業は、ブランド事業の収益改善に引き続き貢献することに加えて、M&A等で新たにグループ化した企業・事業のバリューアップやグループ外企業へのプラットフォームの提供も拡大していく方針です。
(注1) ファッションテック
ファッションとテクノロジーを掛け合わせた造語。近年はファッションテックと呼ばれるスタートアップやベンチャーの参入が相次ぎ、ファッション企業とテクノロジー企業のタイアップによるオープンイノベーションが盛んになっています。
なお、2019年3月期通期の業績予想は2018年7月時点のものであり、第1四半期(2018年4月~6月)の実績値と第2四半期から第4四半期まで(2018年7月~2019年3月)の計画値で構成されております。当社グループでは、一会計期間(通期)をベースに予算を策定しておりますが、2018年7月時点の計画についても原則として策定方法や根拠は変更ありません。このため、以下の「予算策定方法・策定根拠」においては、通期ベースで予算の策定方法及び策定根拠についてご説明いたします。
(売上収益)
① 予算策定方法・策定根拠
【ブランド事業】
ブランド事業の売上収益予想は、ブランド別×販路別に計画立案しております。店舗販路では、主に、既存店舗(注2)と出・退店舗に分けて売上収益を計画しており、既存店舗の売上収益は、ブランド毎に過去2期の売上成長率の実績値を基本としつつ、各ブランドの施策や成長率の趨勢(改善・悪化)も加味し、売上成長率が高い実績のブランドには前期比101%の上限を設けるなどして、全てのブランドを積み上げた際に保守的となるよう見込んでおります。
店舗の出・退店計画については、計画策定段階で出店や退店が確定している案件に加えて、出店はブランド別に商品企画力や市場競争力及び収益力とデベロッパーのニーズに合うブランドを検討した潜在案件、退店は赤字店舗の自主退店や出店先の百貨店やショッピングセンター等の閉館による退店、契約満了による退店リスクを織り込んでおります。そのうえで、出・退店とも計画策定段階で確定している店舗については直近の実績値や見込値を個々に用いているほか、退店見込案件はブランド毎の前年実績の平均値を基に、出店見込案件は一定の利益率の確保を基準としたブランド毎の収益モデル値を用いて計画を作成しております。
一方、EC販路については、ECマーケット自体の成長トレンドを背景に良好な環境にあると考えております。当社においても、実店舗とECの在庫連携等デジタル技術を活用した販売機会ロス低減や各種販売進施策により、一定の売上成長を目指していきますが、「利益を伴わない売上は追わない」という基本指針に従ってプロパー(正価)売上に拘る姿勢を大前提とし、売上収益予想は、前期の売上伸張率を参考に保守的に見積もるようにしております。
(注2) 既存店舗の定義
当社では、当期と前期において、同場所・同面積・(改装による)休業日なしで、二期間に亘ってフル稼働している店舗を既存店舗と定義しており、この既存店舗にはEC等の通信販売を含んでおりません。
【投資事業】
投資事業の売上収益予想は、M&Aで連結加入した企業と開発・改革系ブランドを営む企業の売上収益、そしてグループ子会社群から事業持株会社である当社が得る経営指導料や商標使用料、不動産賃貸料、配当等の内部収益の積み上げで構成されております。新規加入のM&A子会社及び計画策定時に買収の実現性が高いと見込んだ新規加入予定のM&A子会社並びに開発・改革系ブランド子会社の売上収益は、ブランド事業と同様の立案方法で計画策定する一方、グループ間の内部収益では事業持株会社である当社が、各子会社の売上に対して一定比率を乗じて経営指導料を徴収するほか、各事業会社の利益計画に応じて配当を得る設計であり、その他商標使用料等も社内ルールに則って計画立案をしており、これら内部収益は連結上で消去されるよう策定しております。
【デジタル事業】
デジタル事業の売上収益予想は、20歳から34歳を中心ターゲットとしたファッションモール「FASHIONWALKER」の売上収益、他社の公式ECサイトの運営受託等も含んだデジタルソリューションサービスにかかる売上収益の積み上げで構成されております。「FASHIONWALKER」と他社の公式ECサイトの運営受託においては、いずれも既存取引先と新規取引先ごとに売上計画を立案しており、既存取引先については、原則的に、直近の取引先別に過去2期における売上成長率の平均値を用いて売上予測を積み上げており、新規取引先は取扱金額を見込んで、それに受注確度に応じた受注確率を乗じて計画に反映しております。また、店舗運営システムや基幹システム、MD支援システム等の各種デジタル支援を受託するソリューションサービスについては、ここ数年間において、ECサイトのクライアントを中心に引き合いが増加しており、株式会社ファッション・コ・ラボでの顧客開拓や受注拡充とも連動する形で事業拡大を見込み、クライアント別にサービスラインごとの売上を積み上げて計画を策定しております。
【プラットフォーム事業】
プラットフォーム事業においては、主には当社グループ向けの各種プラットフォーム提供を行っており、その機能を活用し当社グループ外の企業に向けた外販事業も強化しております。また、プラットフォーム事業の内訳としては、衣料品の製造・調達を行う生産プラットフォーム、店舗での販売代行や店舗開発代行や全国での店舗営繕を行う販売プラットフォーム、各種事務処理代行を行うシェアードサービスプラットフォーム及び什器の製造・販売やインテリア設計等のライフスタイルプラットフォーム(空間創造)で構成されております。プラットフォーム事業の売上収益予想は、それぞれのプラットフォームを運営する各が、グループ各社との事前摺り合わせを通じて内部売上を見積もるとともに、主要な取引先別での受注予定額に対して受注確度に応じた受注確率を乗じ、取引先毎に外部売上を積み上げる形で立案しております。
② 第1四半期の実績、第2四半期累計及び通期の計画
第1四半期はブランド事業において国内の既存店売上が前年同期比94.8%とショッピングセンター(SC)を中心に伸び悩み、またプラットフォーム事業ではセグメント間の事業移管の影響等を受けて減収となったものの、投資事業でM&Aに伴う新規加入の増収効果が事業終息などによる減収分を補ったことなどから、グループ全体の売上収益は前年同期比1.0%増(628百万円増収)の60,978百万円となりました。内訳は、ブランド事業は前年同期比5.3%減(2,687百万円減収)の47,583百万円、投資事業は前年同期比92.2%増(4,223百万円増収)の8,805百万円、デジタル事業は前年同期比7.6%増(86百万円増収)の1,212百万円、プラットフォーム事業は前年同期比22.7%減(994百万円減収)の3,379百万円となりました(いずれも連結消去後)。
第1四半期の実績と今後の見通しを検討した結果、ブランド事業及び投資事業における店舗の売上収益は、既存店売上の昨対伸び率について、第1四半期の実績が前年同期比94.8%であったことや、7月の西日本豪雨等による減収の影響を保守的に織り込み、通期で前期比94.4%と見込んでおります。ただ、M&Aの連結加入効果が継続することを見込んでおります。また出退店数は、通期ベースで国内において退店(104店舗)が出店(83店舗)を上回って店舗純減(21店舗)と見込んでおります(注3)。EC販路の売上収益予想は、前期の売上伸張率の114.2%を参考に、配送料値上げの影響等も考慮し、前期比105.9%と保守的に見込んでおります。
(注3) 店舗数の補足情報
2018年6月末の国内店舗数は2,429店であります。なお、海外の店舗数(79店)も含んだ総店舗数では、2018年6月末で2,508店となっております。
投資事業における店舗及びEC販路経由以外の売上収益の計画値は、減収要因として、当期に実施するブランド事業セグメントなどへの事業移管の影響(前期比約80億円の減収)及び一部の赤字ブランドを前期及び今期に事業終息する影響(前期比約50億円の減収)を想定しております。その一方で、増収要因として、M&Aによって2017年12月に連結加入した株式会社アスプルンドや2018年4月に加わった株式会社ティンパンアレイの年間を通じた売上貢献(前期比約170億円の増収)を見込んでおります。また内部収益として計上されるグループ子会社による当社への経営指導料及び配当収入等が、前期比で約20億円増額することを見込んでおります。
また、デジタル事業及びプラットフォーム事業では、主に前述の策定方法及び策定根拠に基づいて外部顧客からの受注金額が増加することを見込み、第2四半期以降の計画値を設定しております。
これらの結果、第2四半期累計期間(2018年4月~9月)のグループ全体の売上収益は、前年同期比1.7%増(2,001百万円増収)の117,494百万円(連結消去後)を見込んでおります。
また、2019年3月期通期のグループ全体の売上収益は前期比1.3%増(3,237百万円増収)の249,066百万円を見込んでおります。内訳は、ブランド事業は前期比3.4%減(6,804百万円減収)の192,297百万円、投資事業は前期比14.0%増(4,322百万円増収)の35,157百万円、デジタル事業は前期比31.0%増(1,296百万円増収)の5,475百万円、プラットフォーム事業は前期比37.8%増(4,423百万円増収)の16,137百万円を見込んでおります(いずれも連結消去後)。
(売上原価、販売費及び一般管理費、コア営業利益)
① 予算策定方法・策定根拠
ブランド事業と投資事業のブランド群において、売上原価は、工場での原材料や加工賃に当社倉庫までの運賃等を加えた仕入原価と期末の商品評価損により構成されています。当社グループでは、売上収益から売上原価を差し引いた売上総利益を確保するための施策として、プロパー(正価)に対する仕入原価率の低減やプロパー販売の強化による販売掛率(注4)の改善を重点的に取り組んでおります。
このため、当社では、在庫の適正水準でのコントロールを前提にして、売上総利益率の向上に向けて、主に仕入原価率と販売掛率を重視して計画を策定しております。
ブランド群の仕入原価率について、ブランド別売上構成比の変化による商品ミックスの影響はあるものの、個別ブランドごとには概ね前期比横ばいで見込んでおります。海外調達品を中心に為替変動による仕入原価への影響や運賃の上昇等による影響が発生する可能性はあるものの、販売価格設定と仕入単価交渉の両面から仕入原価率を適切にコントロールすることにより、これらの影響は軽微と見込み、仕入原価率は前期比で横ばいと見込んでおります。
販売掛率(注4)については、各種業務支援システムの高度化を背景として、販売チャネルの特徴を踏まえた最終バーゲン消化までの売価変更等による販売掛率の最適化や、実店舗とECの間での在庫連携による機会ロス・在庫ロス低減に引き続き取り組む方針を計画反映しております。
なお、商品評価損については、シーズン終了ごと(第2四半期並びに第4四半期)に一定金額が発生することを前提にして、過去実績等を参考に計画値を見込んでおります。
また、デジタル事業やプラットフォーム事業の原価については、取引先別にその取引内容に基づく個別の見積もりによる積み上げで計画立案しております。
(注4) 販売掛率の定義
当社では、販売効率の高さを確認する指標として「販売掛率」を用いており、この販売掛率は売上上代(販売された商品の正価をベースとした売上高)を分母、販売された商品の実際の売上高を分子に割って求めております。この指標は、プロパー(正価)販売の割合を増やすことや、残在庫を消化する際の値引率を減らすことなどで改善します。
販売費及び一般管理費は、本部経費と店舗経費に区分して算出しております。本部経費の主な科目は、人件費、物流費、減価償却費、賃借料等であります。人件費は各部門別で増減員と単価変動の見込みを加味して算定しており、減価償却費や賃借料等その他の科目は前期実績をベースに個別に増減を積み上げることで立案しております。また、物流費については、商品の流通枚数等の見込みに応じて配送や保管、作業等の費用を見積りますが、昨今の人手不足を背景とした配送単価の上昇に代表される費用に対して、ロット出荷や海外直送、返送削減等の各種施策による低減効果を織り込んで立案しております。
一方、店舗経費については、各店舗の売上計画に応じて歩率家賃など変動費を個店単位で見積もったうえで、店舗別の収益状況等に応じて人件費や販促費など経費科目別に積み上げて計画を策定しております。
② 第1四半期の実績、第2四半期累計及び通期の計画
第1四半期のコア営業利益は、ブランド事業での店頭売上の伸び悩みに起因した値引き販売の増加、その結果として粗利率の悪化があったものの、人件費を中心とした経費支出の見直しが奏功し、経費の削減が粗利益の減少を補ったことから、グループ全体で前年同期比5.9%増(376百万円増益)の6,761百万円となりました。
第1四半期の実績と今後の見通しを検討した結果、第2四半期累計期間のコア営業利益は、前年同期比1.8%減(108百万円減益)の5,987百万円を見込んでおります。第2四半期は大阪北部地震や西日本豪雨といった一過性の要因等で当シーズン(2018年春・夏シーズン)商材の在庫増加も懸念されるため、値引き販売の強化といった在庫消化策を促進する必要性から、売上総利益率の悪化の影響などを慎重に織り込んでおります。
その一方で、通期では、各販売チャネル毎に収益の最大化につながる在庫コントロールを継続して追求しており、仕入原価率は前期並みの水準維持を前提に、販売掛率はEC販路を中心に昨対改善を見込んでいるほか、好採算なデジタル事業の売上構成比の上昇といったことを計画に反映しております。このため、通期では売上総利益率が前期比0.3%ポイント改善の59.3%となり、通期のグループ全体の売上総利益は前期比1.9%増(2,720百万円増益)の147,608百万円を見込んでおります。
また、通期のグループ全体の販売費及び一般管理費は、前期比1.9%増(2,481百万円増加)の131,445百万円を見込んでおります。基本的には、2015年4月より取り組んだ構造改革プランでの徹底した経費削減によって、相応に「利益の出易い体質」になりつつあると認識しておりますが、「不断のコスト合理化」の追求で経費コントロールに取り組み続けていく方針です。ただし、M&Aによる経費増の影響も反映しており、例えば、本部経費と店舗経費の両方で計上された金額を足し合わせた人件費総額については、M&Aに伴う人員数の増加による影響が大きく、今期は総人員数を前期比108.3%、平均単価を前期比93.6%とそれぞれ見込み、人件費(総額)で前期比101.3%を計画しております。なお、第4四半期(2019年1月~3月)では、販売費及び一般管理費で前年同期に計上した特別賞与引当等の一時費用の影響(約10億円)がなくなることを見込んでおります。
これらの結果、通期のグループ全体のコア営業利益は前期比1.5%増(239百万円増益)の16,162百万円を見込んでおります。
(その他の収益・その他の費用、営業利益)
① 予算策定方法・策定根拠
その他の収支(その他の収益・その他の費用)は、原則として前期実績を参考に同程度を見込んでおります。ただし、その他の費用の一部科目については、各種施策の影響等に基づいて個別に算出しております。
具体的には、主に2四半期と第4四半期に計上される、固定資産除却損や商品廃棄損を見込んでおります。固定資産除却損は店舗別に見積もっており、退店が確定した店舗のみならず、退店リスクのある店舗も算出対象に織り込んで計画立案しております。商品廃棄損については、常に在庫の鮮度を維持できるよう、発売後1.5年で廃棄対象になる前提で見積もっております。
② 第1四半期の実績、第2四半期累計及び通期の計画
第1四半期の営業利益は、その他の収支が前年同期と比較して大きな変化がなかったことから、コア営業利益の増益趨勢と同じく、グループ全体で前年同期比5.9%増(373百万円増益)の6,648百万円となりました。
第1四半期の実績と今後の見通しを検討した結果、第2四半期以降は、経常的に発生する費用としては退店数の減少と販売効率の向上を見込み、固定資産除却損及び商品廃棄損が前年同期よりも少額と見積もっております。固定資産除却損は通期で前期比45.9%減の429百万円、商品廃棄損は通期で前期比7.3%減の524百万円を見込んでおります。
このほか、こうした経常的に発生する費用に加えて、上場申請期である今期においては、第2四半期を中心として一時的に上場関連費用330百万円を「販売費及び一般管理費」と「その他の費用」に織り込んでいます。また、今期の第2四半期には、前年同期に計上した固定資産売却益(約6億円)といった一時的な貢献が見込まれないことも反映しております。その一方で、今期は、前期の第4四半期に発生した不採算事業の引当(約12億円)を見込まない前提としております
これらの結果、第2四半期累計期間のグループ全体の営業利益は前年同期比20.6%減(1,199百万円減益)の4,618百万円を見込んでいるものの、通期のグループ全体の営業利益は前期比7.6%増(1,009百万円増益)の14,234百万円を見込んでおります。
(金融収益・金融費用及び法人税等、親会社の所有者に帰属する当期利益)
① 予算策定方法・策定根拠
金融収支(金融収益・金融費用)は、前期実績をベースにした算出を原則としているものの、金融費用については、優先株式の償還予定や借入金の返済予定に基づいて、優先配当を含んだ支払利息を個別に見積もっております。
また、法人税等は連結納税制度に基づいて実効税率を用いて算出しております。なお、前述の優先配当は損金不算入であるため、優先株式の減少は親会社の所有者に帰属する当期利益をストレートに押し上げる効果が見込まれます。
② 第1四半期の実績、第2四半期累計及び通期の計画
第1四半期のグループ全体の親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融収支がリファイナンス費用の減少によって前年同期より若干改善したことなどにより、前年同期比7.0%増(261百万円増益)の3,976百万円となりました。
第2四半期累計期間のグループ全体の親会社の所有者に帰属する当期利益は、主として営業利益が前年同期比で減益となることから、前年同期比27.4%減(794百万円減益)の2,106百万円を見込んでおります。
一方で、通期では営業利益が対前期で増益となる見込みに加えて、今期においては、期中で段階的に優先株式を全額還する予定であるため、支払利息に含まれる優先配当の負担が前期に対して低減する効果(前期比で662百万円の負担減)を見込んでおり、優先配当の減少がそのまま当期利益の押し上げに寄与することを織り込んでおります。
このため、通期のグループ全体の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比22.2%増(1,495百万円増益)の8,238百万円を見込んでおります。
ご注意:
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