この会社に多くの
チャンスがあることを、
証明していきたい。
CHOI SOONG KYU
- PROFILE
- 服飾専門学校で学んだ後、専門職(デザイナー)入社を希望していたが、応募がなかったため、総合職で入社。THE SHOP TKで商品開発・MDを担当。その後、社内異動によりデザイナー職登用となり、現職。
- ※MD(マーチャンダイザー)・・・商品の企画・開発や商品構成の決定、販売・サービスの計画立案や予算管理などを行う職種。
デザインの指標は
「スタッフがお客様に着ていただきたいと思うか」。
若手の頃に、尊敬している先輩がよく言っていた「店舗がいちばんの顧客」という言葉が、今では僕の信条になっています。
お客様にファッションを提案するのは直接関わる店舗スタッフであって、まずスタッフのみんなが喜んで着てもらえる服じゃないと、その魅力はお客様には伝わらない、ということです。とにかく店舗スタッフの方々とコミュニケーションがとりたくて、『tk.』に在籍していたときは旅行先でも店舗に寄って声をかけたり、正月のセールのときに店舗を手伝ったりしていました(笑)。現在所属する『タケオキクチ』でも、現場との距離を縮める方法は常に考えています。
僕は総合職採用でMDを経験してからデザイナーになっています。その経験もあって、作った作品に対しての売上結果や検証といった数字へのストイックさは、他のデザイナーのなかでも強い方だと思います。売る側の数字的な事情を理解した上で企画を進められることも、僕のデザイナーとしての強みですね。
諦めないでいるということは、進み続けているということ。
ファッションを学びたくて、韓国の大学を辞めて日本の専門学校に入学しました。学校の先生や先輩に勧められたワールドに入社することになったんですが、当時のワールドでは、外国籍の専門職(デザイナー)採用がなく、今とは時代も異なって、悔しい思いをすることもありました。いつか絶対デザイナーに転向してやる、という気持ちで、総合職として入社したんです。
入社後はブランドのMDとしてそれなりに仕事の面白みを感じつつも、デザイナーへの熱は心から消えず、ずっと方法を探っていました。関わる人達にデザイナー志望であることを伝え、同じ事業部のデザイナーにも話を聞いてもらったり、やれることは全部やりましたね。
その結果、当時の事業部長から声をかけてもらったことがきっかけとなり、面接を経て、念願のデザイナー職に就くことができました。メンズブランドのデザイナー人員が不足していた時期と重なったこともあり、そのタイミングでチャンスが巡ってきたことはすごく幸運でした。
異動が決まってからも、実際に異動してからも、すべき業務がたくさんあって焦る毎日でしたが、その反面、言い続けてきて良かったなという安堵の気持ちもありました。見返したいっていう入社当時の気持ちが報われた感じもして。外国籍で、しかも総合職からデザイナーになったのは私が初めてでした。自分が前例を作ったことで、同じ夢を持つ後輩たちがこの道を辿りやすくなると嬉しいです。
ワールドのいいところを、
もっと増やしたい。将来、ワールドが持つ資源を使った新しい事業ができたらいいなと考えています。
具体的に言うと、シーズンを超えると処分が必要になるようなファブリックなどの資材・原料の活用ですね。残った原料を大量に処分している現状に思うところがあって、特にワールドは企業の規模も大きくたくさんのブランドを展開しているので、与える影響と責任は大きいと感じています。だから、使われなくなった資材や原料を使ってプロダクトを作りたいなと。服だけじゃなくていろんな作品を作れば、ブランド間の年齢層や系統を超えていろんな人に手にとってもらえるんじゃないかと考えています。
それからもうひとつ。所属しているタケオキクチのブランド活動として、ジャパニーズトラッドというか、資源の産地や工場、それを含む地域を巻き込んだエリアの活性化にも挑戦したいですね。
ビジネスとして収益のバランスを考えるとなかなか踏み出しにくいとは思うんですが、アパレル事業のほかにもいろんな事業を展開しているワールドだから、できる取り組みだと思うんです。
大きなリソースがある、そしてそれを活用するという選択肢があること自体が、他の会社にはない魅力です。
社会に働きかけるような事業もできるんだって、大企業の良さを活かしていきたいですね。